Raspberry Piのセットアップをヘッドレス(モニタなし、キーボードなし)で行う方法をメモしておきます。今回は、Raspberry Pi 3 Model Bのセットアップを行いました。必要最低限の機器でRaspberry Piのセットアップを行えるのが、この方法のいいところですね。
必要なもの
PC
Macを使ってRaspberry Piのセットアップを行いましたが、WindowsでもLinuxでも問題ありません。今回の手順は一部Mac用となっているため、WindowsやLinuxをお使いの方は適宜読み替えていただければと思います。
Raspberry Pi 3
今回の主役。ケース付きのこちらを購入しました。Raspberry Pi 3はWi-FiやBluetoothを内蔵しているのがいいですね。
microSDカード
Raspberry Pi 3ではOSをmicroSDカードに書き込んで使用します。
microSDカードの容量は、最低4GBが必要で、8GB以上が推奨されています。Raspberry Pi 3とmicroSDカードの相性はシビアなので、動作確認報告があるものを選びましょう。ちなみに今回は上記のmicroSDカードを使って正常動作することを確認しています。
SDカードリーダ
MacにmicroSDカードを読み込ませて、microSDカードのフォーマット(初期化)やOSの書き込みを行います。
USB⇔USB Type C変換アダプタ
MacのポートがUSB Type Cしかなく、SDカードリーダがUSB(USB 3.0)形式だったため、変換アダプタが必要でした。SDカードリーダを直接PCに接続できるのであれば、変換アダプタは不要です。今回は、↑のものでなく、自宅に転がっていた変換アダプタを使いました。
電源アダプタ
Raspberry Pi 3の推奨電源は2.5A。あまり見かけない電源容量です。iPadの充電器でも代用できるみたいですが、Raspberry Pi用の方が安心です。
Raspberry Pi Imagerを使ってmicroSDカードにOSを書き込む
Raspberry Piの公式サイトから、「Raspberry Pi Imager」をダウンロードします。Raspberry Pi Imagerは、microSDカードにRaspberry PiのOSを簡単にインストールできるソフトです。Windows、Mac、Linux(Ubuntu)に対応しています。
Raspberry Pi Imagerをダウンロードしたら、↑のようにPCとmicroSDカードが入ったSDカードリーダを接続します。
Raspberry Pi Imagerを開きます。まずは「CHOOSE OS」を選択し、インストールするOSを選びます。
特に指定がなければ、「Raspberry Pi OS(32-bit)」を選択します。
続いて、「CHOOSE SD CARD」を選択します。PCに接続されているmicroSDカードが表示されるので選択します。
最後に、「WRITE」を選択します。これで、microSDカードにRaspberry Pi用のOSが書き込まれ(インストールされ)ます。
OSインストールは数分で完了しました。↑の画面が表示されれば、インストール完了です。
インストール完了すると、SDカードリーダがPCから取り外された状態になるのですが、このあとの手順で、microSDカードにいくつか設定を行う必要があるため、PCからSDカードリーダを一旦抜き、再度PCにSDカードリーダを接続します。
Raspberry PiのSSHを有効化する
初期状態ではPCからRaspberry PiへのSSH(リモート接続)は無効化されているので、それを有効化します。
Macのターミナルを開き、以下コマンドで、microSDのboot
ディレクトリにssh
という空ファイルを作成します。これでRaspberry PiのSSHが有効化されます。
Raspberry PiのWi-Fi設定を行う
PCからRaspberry PiにSSHでリモート接続する際、PCとRaspberry Piは同じネットワークに接続されていないといけないので、PCで接続しているWi-Fiの設定をRaspberry Piに設定してやります。
Macのターミナルを開き、以下コマンドで、microSDのboot
ディレクトリにwpa_supplicant.conf
というWi-Fiの設定ファイルを作成します。ファイル内のWi-FiのSSIDとパスワードは適宜変更してください。
ここまでくれば準備は完了です。Raspberry Piを起動していきましょう。
機器を接続してRaspberry Piを起動する
機器を接続すると↑のような感じになります。電源アダプタを接続すると、Raspberry Piの電源が入ります。電源スイッチはありません。
Raspberry Piの電源を入れたら、起動処理が完了するまで数分待ちましょう。
以下コマンドで、PCからRaspberry PiにSSH接続します。初期のユーザIDはpi
、パスワードはraspberry
です。ホスト名で指定してやればわざわざRaspberry PiのIPを確認する必要がないので便利ですね。
うまくSSH接続できれば以下が表示されます。
これで最低限のセットアップが完了です。ここからは、お好みで設定を行ってください。
ログインパスワードを変更する
Raspberry Piの初期のログインパスワードはraspberry
ですが、セキュリティ上よくないので変更しましょう。
以下コマンドで、Raspberry Piの設定画面を開きます。
Raspberry Piの設定画面はこんな感じです。
「1 Change User Password」 > 「Ok」 > パスワードを入力 > 再度パスワードを入力 > 「Ok」 > 「Finish」を選択します。
言語&地域設定を行う
以下コマンドで、Raspberry Piの設定画面を開きます。
「4 Localisation Options」 > 「I1 Change Local」を選択します。「ja_JP.EUC-JP EUC-JP」と「ja_JP.UTF-8 UTF-8」の2つにスペースキーでチェックを入れ、「Ok」を選択します。
その後、「ja_JP.UTF-8 UTF-8」 > 「Ok」を選択することで、システムの言語が日本語に設定されます。
引き続き、「4 Localisation Options」 > 「I2 Change Timezone」 > 「Asia」 > 「Ok」 > 「Tokyo」 > 「Ok」を選択します。これでタイムゾーンが日本(東京)に設定されます。
最後に、「Finish」を選択すると再起動が求められるので、「Yes」を選択します。
GUI操作する設定を行う
「黒い画面(ターミナル)が嫌い!」
「Raspberry PiをGUIで使いたい!」
という方は、VNC接続(GUIリモート接続)の設定を行いましょう。
以下コマンドで、Raspberry Piの設定画面を開きます。
「5 Interfacing Options」 > 「P3 VNC」 > 「Yes」を選択します。これで、Raspberry Pi側の設定は完了です。
あとは、MacからRaspberry PiにVNC接続すればOKです。MacにVNCクライアントのRealVNC Viewerをインストールします。
以下コマンドで、VNC接続に必要なRaspberry PiのIPアドレスを確認します。eth0
のinet
(例. 169.254.19.83)が有線のIPアドレス、wlan0
のinet
(例. 10.253.131.84)が無線のIPアドレスです。無線のIPアドレスを使用しましょう。
RealVNC Viewerを起動し、Raspberry PiのIPアドレスを入力します。
Raspberry PiのユーザIDとパスワードを入力し、「OK」を選択します。
Raspberry Piの画面が表示されれば設定完了です。
ソフトウェアの最新化
以下コマンドで、Raspberry Piのソフトウェアを最新化します。
まとめ
Raspberry Piのセットアップをヘッドレス(モニタなし、キーボードなし)で行う方法をまとめました。
Raspberry Piは電子工作やLinuxの勉強、サーバなど、いろんな用途に使えてほんと便利で楽しいデバイスです。ぜひラズパイをセットアップして遊んでみてください。